日本の美術が世界の流れを変えた(はず)

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  • 投稿日:2022/2/24 13:01:34

日本が誇るべきもの、その一つは日本の芸術ではないでしょうか。 ルネサンス以来その伝統を守り続けてきたヨーロッパの美意識の殻を破ったのは、浮世絵をはじめとする日本の芸術品でした。日本の開国前後の19世紀にヨーロッパで起こったジャポニズムブーム、それが無ければ印象派は起こらず、モネやゴッホ、ルノワールなどの作品が生まれることは無かったのです。 私は美術を専攻しておりましたので実感として良く分かるのですが、浮世絵の構図や選ぶモチーフ、色彩の表現等はそれまでの西洋の美の基準と大きくかけ離れており、当時それらをはじめて見た西洋の画家たちが驚愕したというのは大げさではないと思います。 日本の美の根底にある独自の繊細な感覚、「詫び寂び」に見られる不完全なものに美を見出す禅の思想、自然を愛で四季を愉しみ日常をモチーフとして取り入れ、そもそも「美術作品を作る」という概念も無い中で自由に描かれた日本の芸術こそが、世界に誇れる日本の良さであると思っています。 インターネットの普及で世界中の情報が即時に手に入る今、それぞれの国独自の感性も失われつつあるのかもしれません。とてももったいないことだと思います。時々立ち止まって、日本人ならではの美意識や感性を、もう一度研ぎ澄ます時間を持つことも良いかもしれませんね。